映画「LIFE」~なぜかずーっと♪エイリアンズ を聴きながら書いた
いやーーー久々!ほんっと久々に、エイリアン1作目を観た時の恐怖思い出したわーー…かなりオロオロしていたよ、おばさんは!結構なびっくりしぃなので驚かせるホラーとかは1本で3~4回は軽く5cmくらいジャンプするけど、これはもうじっとしておられない状態。落ち着きのない児童みたいな感じでした。
まさに「エイリアン」1作目の時の気分
なんかもうね、夜眠れる気がしなくなった、ほんと子供の頃「心霊写真集立ち読みした日」的な。怖い。怖かった。ホラーとは別なんだよなー…ホラーって耐性が出来るし。
そう、思い出した!思い出したってことは初めての恐怖じゃないわけで。そりゃもう、宇宙行ってエイリアンと遭遇して「ぎぃぁあああああっ」てなるんは、リドリーさんのインパクトを超えるってありますかね?今のところないです、私。
本作でも「あの時と同じ感じだな」って何度も思ったけど超えはしてない。仕方ないですよね、これ。多分今観ても座ってられないと思いますわ。
ちなみに今作も予告で散々観たシーンが近づくあたりからソワソワが止まらず、プレミアシートでのんびり胡坐かいてたんだけど何度も座り直したり薄目で観たりとか…
"あーお客様、破かないで!破かないでください!困ります!お客様!!"
(その時は笑えなかったょ、うん…)
ということでソワソワが止まらなくなる予告編をご覧ください。ごく普通のやつは短いので「進化編」ていうのあったんでそっち貼ります。結構詳細分かります。※ネタバレ嫌な方は、30秒~は止めましょう。裏話ほか詳細が出てますので結構完全ネタバレです(笑)
あ、えーと。15秒~真田さんがモザイクかかってるアレに犯さ〇てる画(え)にしか見えないんですけど、これ睡眠用のポッドを隔ててますからw今初めて見る動画だったので色々驚いてます。(貼るけどもw)後半3分30秒以降は通常の予告、それ以降は進行のMCが別の映画を紹介してます(なんだよこのサイトw)
あのカルビン(未確認生命体のことね)てさ、
プラナリアのプラちゃんっていうか
なんだっけほら、流氷の天使のえっと、ああそう、クリオネちゃんみたいなんだよね。
こぇええええっ!!こぇええよ!クリオネはこんなじゃねぇよ!?って?
こっちじゃろ?「わあい!」みたいな。…どうでもええわ、「かわええやっちゃ」思って観てくださいよw
とりあえず怖いよっ!!
見たことないヤツ!やったぁ!じゃないよ!!このクリオネちゃんが
むやみやたらと賢い
むやみやたらと速い
むやみやたらと攻撃的
三拍子揃ってます。怖いんだって!絶対だって!殺されちゃうから!!だってリドリーさん「エイリアン」完全にそれだもん!(賢かった…っけ?)
とは言え
あのね、もうリドリーさんの何作目か知らんけど「コヴェなんと!」みたいのんはええの。私にとってはもうめんどくさい話は嫌です。SFエイリアンものはこうやって現代科学と一緒に…まず観てみて!!
なんだこの画質の差(爆笑)リマスタされてるんですね。それくらい2ndも名作でした。本当に沢山動画が上がってます。面白かったですもんね。1stでうやむやにされたエンディングを活かし切った作りでした。1stを凌駕する続編って珍しいですよね。大好きなマイケル・ビーンが粗暴で、しかもすぐに負傷しちゃう役だったので悲しかったです…ぇぇ。
モニター並んでるシーン、なんかどっかの ビルの警備室かよって感じですねぇ。
念のため「誰?」言うてる人はこちらどうぞ!!
逸れてるけど、1stがなかなか見つかんないんだよ!!
やっと見つかった日本版予告編…ぁぁぁ…あ?まさかのカタカナタイトル……wwww
仕方ない、時代だもの。それでもこの時の怖さを覚えてる。本当に怖かった。家で立ったり座ったりふすまの向こう行ったり、とにかくじっとできない怖さ。来るよ!来るけどどこから何が来るのっっ!!!!ってなってたの、忘れられない。
本当に面白かった。3、4と続編出る度に興味が薄れて行って結局どこまで観たか記憶はないなぁ。
現代の宇宙計画
昔と違ってこれがまたリアリティがある話じゃないですか。NASAやJAXAなどからもISSの画像はよく観ることが出来ますけど、映画だからなのか(もしかしてこれも映画だから作り物?)ISSのからの景色が本当に綺麗です。ISSから見えるISS本体もだし、もちろん地球も。ベタな台詞もナチュラルに使うから時代設定ひどいなぁって思ったけど、多分宇宙に行った人たちは皆、「地球が青い」とか「美しい」とか「国境ラインはない」とか、そんなこと考えるんでしょうねえ。
あの景色も台詞も、実際時代を超えたものかもしれないです。
しみじみ思います。
さ、あと続編なしでよろ!
だってオチはもうちょい考えようよ!!さすがにそれは昔と同じにしてどうすんのよ!ていうか「エイリアン」とは別の映画って忘れてない?!くらいに分かりやすいというか、もう使い古されとるんじゃぁ!中国人(?)たちが乗った小舟が善意で集まって来るとか、そこはちっとだけ、新鮮やったけど。そんなんどーでもえーくらいにオチ酷いんじゃぁ…!!
とはいえ、なんでこれ観たかって「真田広之」を観るためです!(キッパリ)
もう超満足です!!(キッパリ)
映画「バイバイマン」
最初の10秒くらいの部分、あったっけ…?あ、めっちゃビビってる時間帯だったかも。
最初の30分くらいはビビりまくって観てたけど、その内「おやおや?おやおやぁ?」て思い始めてしまい、結構ガッカリして帰ってきました。
題材だけは怖いんだけどねぇ…
主役エリオットくん
大学生なんだけど俳優さんのダグラス・スミスくん、いや"さん"になるな、なんと32歳だそうです。意外にオトナ。
んー。好き。かわええ。悲しくて怖くても一生懸命頑張る顔。堪える顔。きゅいんきゅいん。
(ちなみに共に暮らすことになった親友くんも共にエライ目に遭うわけですが、彼は『ムキムキマン』でちゅ)
ドラマなんかもやってたそうで、これもまた、チャンスがあれば観たいなぁ。いいよぉぉ。
あ、違った!映画だ!これ知ってる!!気になってたんだ!これはひっさびさにTSUTAYAさんにお世話になる事案発生だわ。
※あっ!エグイ!エグイです!閲覧注意です!!!
映画「ジョン・ウィック チャプター2」
まずね、
いろーんな訛りのある英語を聞けるので字幕オススメです。あ、これただただ私が英語の聞き取りが苦手ゆえ、私だけのお気に入りポイントw
とりあえずアメリカ英語は単語のお尻と頭がくっついてて巻き舌の発音で、ごった煮みたいで本当に苦手です。多分単語とかでなくて「音」で耳に入れるんだろうなという事はうっすら分かるんですけど…あ!そういえば洋楽はそうやって楽曲自体を把握してますね、考えたら!理解はしてないけど!…ダメか。
ジャパニーズイングリッシュよろしく、他の言語圏の方の話す英語は実に良く分かるんですよね。イギリス英語も割とそんな感じです。
これって誰でもそうかと思ってたらそうでもないんですよね。友人はアメリカ英語の方が分かりやすいんだそうです。
英語教育、大事。良くわかんないけど、今の仕事には全然関係ないけど、色んなことを「楽しむ」上でも理解できると絶対世界が広がる!
で、映画内でも色んな言語が入り交ざるんだけど、その時に何か知らんけど字幕が画面デザインに入って来るの。これもオシャレなんだかダサいのか微妙な…←個人的な感想です。あ、手話の内容もそれに含まれていてそれは完全にオシャレ側になってました。
さて、あとはツイッターの「人間食べ食べカエル」さんという方が様々ツイートされていまして、中身のネタバレはないのですが物凄い端的に上手く表現されてまして、まさにツイート通りなんです。
一番がこちら。
ジョン・ウィック2は街中に殺し屋が多すぎてフラッシュモブみたいになってた。
— 人間食べ食べカエル (@TABECHAUYO) 2017年7月9日
ずーっとこれ、脳内にあってほぼ全てのシーンでこれでした。フラッシュモブ!フラッシュモブだ!!ていう…
って結局ですね、カエルさんのツイートを中心にまとめちゃったんですけど、これです、だいたいこれでオッケーです!はい!
撃ちまくりシーンは相変わらず圧巻で、もうドン・ジョンソン思い出す間もないくらいフラッシュモブでどんどん撃ち殺してくし、背後も見ないで確実に命中さしてるし、肉弾戦になったら「噂で聞いてた鉛筆1本で3人殺せる」のを見せてもらえたし、あと、バカな甥っ子だかがジョンの車盗んで部下にジョンが如何に怖いか話して最後に「ジョン・ウィックについての話はだいたい控えめに伝わってる」っていうのでチビりそうになるよ。
1作目同様「コンチネンタル」という「ホテル」(だと思ってたけど組織なのかこれ?)の絶対的全能な無法者が淘汰された場所。
ローマでの楽しいパーティの準備とか、物騒な話しかしてないのに優雅でウキウキしてしまいました。スーツを仕立てたり武器を調達したり、すべてのお店(?)がものすごく丁重で最高のサービスをするんだ。(カエルさん曰く「ソムリエ」まさに!)
「デザート」is「石で磨かれたナイフ」!!
見てて楽しい。めちゃくちゃ楽しいからキアヌに同行するとしたらっていう妄想が…
私ならパンツスーツじゃないな。同じ黒いドレスシャツとスーツ、タイは女性らしいリボンたいかな…?だけど膝下丈のピッタリしたタイトスカートで脇のスリットは膝上4cmまで。有事の時はスッと裂けて殺陣の動作に差し支えない太腿までになるの。ヒールは太めで高さは7cmかな。
あれ?完全に殺しに来る方のルビー・ローズが妄想に入ってた…( ̄^ ̄)かっちょよ過ぎんだもん。しかも手話を使うのがまたすんごいcoolなんだ…たまらん…
逸れた
ヘアスタイルもこれがいいかな。リアルでもあれにしよっかな。あの7:3または8:2の横分けは一昨年からしたくて悩んでるスタイル。ただ自分の嫌いなおでこ丸出しがな…日曜にちょうど美容院だしマジで考えよっと。ついでに後ろは少し刈り上げてもいいくらいサッパリしよう。
逸れてるって…
イッヌ、今回もかわいいっす。非常にいいです。名前ないんだけど。殺されるのかとひたすら怯えてましたが特に問題なしです。
皆さん仰る通りストーリーは雑でした。(ずばっ)
鏡の館でのクライマックスは「今更『死亡遊戯』なの??嘘でしょう?!!」ていう脳内絶叫し通しでした。肉弾戦も新しい感じもなくて物足りなかったです。
確実に続編も考えられてそうだけど、余程の新鮮な要素が出てこない限りキツいなぁという。
観る直前まで「私のキアヌ」なるか?とか思ってましたが、惜しい。何故だろう。惜しかった…。
気に入った映画を2回観る初体験。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」《ネタバレ多し》
とてつもなく切なくて心が沈むのに、どこか救いの光を見出すような気がして何度も思い返す、いつまでも忘れられない、そんな物語だった。
初体験…(////
気に入ったら盤を買うけど余程でないと買わない。ほんで買ってもそんな観ないし、更にはのんびりと家で観ても新しい発見があったことは無かったと思う。
今回「どうしてももう1回劇場で観たい」と思った自分に結構戸惑い、思案してる間に公開終了になって諦めるかなと思っていたのに、結局観た!意外に長い上映期間で助かったのかな。
だって行ってすごく良かったから。
初見では悲しみに呑まれ過ぎてしまっていたことが良く分かる。超感情型の人間なのは自覚してたけど、ここまで冷静に鑑賞できてないと気付いて結構ショック…。結局2回目でも泣くんだけど、泣きつつもちゃんとディテールを追えるっていい…←今更感すごい
主人公リーは緑色が好き
1回目から気になってたけど、まず再確認したおが物語になんの影響もないどーでもいいこと。予告編をあらためて見たらほぼ同じジャケットだったけどまず深緑ね(笑)(今度は日本公開バージョン)
事故の日のパーカー、家の中のちょっとした寝具類などこれもあれも!とやたら目について仕方ない。ほんとどーーーーでもいいんだけど、なんかやっぱりスルー出来なかった。重要度はともかく絶対プロットに入れてるんだと思う。いや多分ね。
どーーーーでもいいところから入りました…
几帳面さと粗暴さ
故郷マンチェスター・バイ・ザ・シー(以降マンチェスター)での悲しい事故によって孤独になったリーはボストンへ居を移し、世捨て人の様に生きていた。真面目な仕事ぶりの反面、何かと態度は悪い。口も酒癖も悪く、定期的に暴力トラブルを起こす。家の前の雪かきを欠かさない、きちんと決まった行動、些細とはいえ几帳面さは目立つ。
ああ、この几帳面さはそうか。
ああ、意味もなく暴れるのはそうか。
…と、思い当たるのは2回目だから。
亡き兄のジョーがいたからそこから目を背けられた
心臓病を患っていた兄ジョーの訃報が入る。傷心のリーを支え続けてくれた兄を失ったショックを受け止める間も無く、故郷に戻り死後の処理やジョーの息子パトリックの面倒な世話に追われる。
甥のパトリックとは幼少期からずっと楽しくやってきてた。でも彼は今やスクールライフを謳歌する16歳。複数のガールフレンドや部活、バンドなど気ままで器用に立ち回る、もう子どもじゃない。
戸惑い悩みつつ襲ってくる感情を押し殺すことに必死になり、合理的な決断を早々に下していこうとするリー。
それぞれ心の支えだった人を失った気持ちは分かるのに、多感なティーンと面倒事を早く片付けたいトラウマに呑まれた陰鬱な中年はなんていうか、吠え合ってはすぐに舐めあう犬みたいな様子…ハラハラしたり苦笑いしたりしてしまう。そう、壊れたエンジンみたいな感じでもあった。2人はなぜこんなに衝突するのか、なぜこんなにお互いに思いやれないのか、もどかしいシーンの連続。
お互いのことを丁寧に汲みとることができないほど、自分を保つことに精一杯だったと、ふたりともそうだったとやっと分かる…。切ない。
リーの孤独は、パトリックの思春期特有の憂いや反発に振り回されているからじゃなくて、ジョーの愛によって霞んでいた、惨(むご)い過去との対峙を迫られるゆえだったんだなぁということも気付く。切ない。
二次元を行き来する気持ち
マンチェスターに戻ると否が応でも昔のことを思い出す。なのでリーの思い出と現在がするっと入れ替わるシーンが連続する。
私はこういうのが割と苦手だ。時間や状況を把握してその世界観に浸る前にすぐにまた時空が変わるという手法。小説でも多くあるし、過去と現在を関わらせるお話には勿論あって然るべきやりかたなのだけど、なにしろ分からなくなってしまう。
でも過去に思いを馳せている間のリーは放心状態で現在の時間は止まってしまう。過去の悲劇にどっぷりとハマってしまう。いつだって襲う過去の感情と現在の状況に溺れないように堪えるリーは、その苦痛に身も心も堅くなって行くみたいだ。
悲しい音楽がずーっと流れてるんだよって当初のブログでは「アダージオのト短調」を紹介したんだけれど、のっけから間違えてたことに気付いた。マンチェスターはいつも穏やかで優しい。さざなみの海も吹雪く空も、全ての景色にに流れてくる音楽も。故郷が自分を包み込むような気持ちになる。
なのにリーにはそれ以上に胸の張り裂ける思い出が重くのしかかっている。
「アダージオのト短調」は過去のシーンに戻り、悲劇の始まりから流れ出す……ぐうううぬぅぅチクショウも一回貼ってやる!今度はネタバレだからハイライトシーンのカット、時系列はめちゃくちゃだし英語だけど台詞も入ってるぜ!!
ジョーがすべてを包んで支えてくれていた
劫火を前に声を失うリー。取り乱す妻の絶叫。朝靄と消火後の煙が立ち込める不思議な静けさの中にアダージオが流れ続ける。誰の声もはっきりと聞こえない。燃え尽きた家を捜索する消防隊員…。絶望の光景を前に崩れ落ちそうなリーをジョーが抱きかかえる。警察署でのリーは、か細い声で告白する叱られた子供の様に見える。ずっと、愛する家族の中では父親や夫というより子供の様に無邪気に生きてきたのに、待合室にいるのはその家族ではなく自分の父や兄、そして兄の同僚…。リーは「大人であるの自分」がしでかした事故に崩壊寸前だった。子供のしたことじゃない、償うこともできない、取り返しがつかない。なのに誰も罰してくれない。自ら終わらせることも許してもらえない…
放心状態のまま故郷を離れる。傍らにいつもいつもジョーとパトリックがいて「生きている実感」を与えてくれた。
そのジョーが逝ってしまった。
リーの心の解放と赦し
ジョーの死後とパトリックとのこれからが同時にリーを別の生き方へ舵を切らなければならなくなる。生前のジョーが仕組んでいたことだ。だけど避けるにも受けるにも、何かを決めようとするとあの時の激しい苦痛がぶつかってくる。逃げおおせない痛みとジョーが残したパトリックの生活についての苦悩に、リーは立ち尽くす。
「女は変わろうとするのに、傷ついても前を向くのに、男は全然だめだ!逃げてばっかりやんか!」という感想だったんだよね、私。だってリーは頑なに顔を背けて自分を守ろうとする。過去を直視しないし乗り越えようともしない、最初っから。…でもなんかそんなことじゃなかったな。
故郷を愛してるし痛みも捨てるつもりはないんだ。忘れたくないんだ。大好きな家族と一緒にいたかったし、もし乗り越えてしまったらその家族と過ごした幸せな時間も自分から無くなってしまう、それは嫌だったんだろうと思う。苦しくても辛くても、思うほどにあの時の幸福を実感する。彼にはそれが生きている意味だから全部持っていようと、赦せば失ってしまうのだと縛り付けておくことに必死だったんだ。
痛みに耐えきれなくなると誰かに鬱憤を晴らす形でケンカをふっかけては殴り返され、時に衝動的にガラス窓を割って自分を傷つけた。泣くことすら赦さなかった。涙も全部自分の中に仕舞っておきたかった。きっとそういうことだったんだと。やっと。
「癒えない傷も忘れられない痛みも。その心ごと生きていく。」
私はこんなこと可能なのかなって思ったし、最初、別の生き方を一生懸命に進む女性たちの姿の方が「立派だな、強いな、偉いな」って思ってた。
立派であることも強くあることも偉くあることも必要ない。ばかだな、自分だっていつもそう思ってるのに。辛い時は凹んでべしょべしょで這いつくばって無様でいいのに。偉くなくていいし頑張りたくもないし立派にだってならなくていいって、そうやって生きてるのに。なんでリーの生き方を否定しようと思ったのかな。あまりに辛すぎたからかな。だって涙を流して欲しかった。一粒でも涙を落としたら楽になるんだよって。
笑っても泣いてもいいんだよって。自分はもうスポンジ絞ったみたいに泣いてるもんだから…
バカだね。そうじゃなかった。
それでもやっぱりね。
"人はそうやって生きていくんだよ"
ジョーはそうやってリーを導いてくれた気がするよ。
パトリックの存在が、元妻が授かる新しい命が、"どん底でべしょべしょで生きなくてもいいんだよ"って思わせてくれたらそれはそれでいいじゃないか。子どもたちは成長していくし新しいことをたくさん経験していくし笑う、泣く、怒る。冴えない仕事で息苦しく生きていても、高校を卒業したパトリックが会いに来て彩りがある1日があっていいじゃないか。
ていうラストをまとめた動画を見つけたよ。本当に切ないけど、リーの胸に溜まってた海水が結構抜けていくような、ほんの少しの広がりが胸を打つ。(字幕ONにしてみるといいです、英語だけどよかったら)
この映画には温度がある
ボストンの凍えるような寒さ。
時雨、雪、雨、霙、そして氷。
冷凍された亡骸。
故郷の、柔らかいのに冷たくて湿めりけのある風。
吹きつけて体温を奪っていく海風にじっとしていられない。
大火の熱。
焼け落ちた家の熱。
胸に溢れて嗚咽になるような涙の熱。
ジョーの厚みのある手がリーの肩を頭を引き寄せ、胸に抱きしめる温かさ。
そしてどうしてもここ。
店で騒ぎを起こして傷だらけになったリー。居合わせたジョーの同僚は家に担ぎ込む。すべてを知っていて何もできない人たちの気持ちは、観ている私たちだ。ここで一瞬リーは涙を流す…。
このシーンで私「泣け!泣いて!ここで吐き出して!」って本当に胸が張り裂けそうだった。ジョーにハグされて以来きっと初めて人の温もりに触れた時じゃないかと思った。彼らに預けていい、全部知っていてこの涙を受け入れてくれる、ほんの一部でも痛みと一緒に吸い取ってくれるんだからもっと泣いて欲しいと…
「パトリックはどこだ…」。苦しみに押しつぶされてもまだ目を背けるリーに、もどかしくてもどかしくて…(号泣(私が))
動画あるんだなぁ…
この温かくて優しくて軽快な音楽がいつどこで流れてたのか覚えてないんだけど(多分予告しか覚えてないんだけど)、これが最後に胸に残ってる。リーのこれからを思って、気持ちを軽くそっと持ち上げてくれるそんな音楽だ。
2回目は「アダージオのト短調」じゃなくて、「Land of Living」。
力強く、"I am coming home"と叫んでる。
とてもいい気持で書き終えた。
長かったわ…。ほんとにいい映画だった…。
土曜日の始まりに
実家に向かう電車の中で涙が勝手に溢れてくる。
中学生になって、ピアノのお稽古に行くのがイヤでイヤでもうそれをどう抑えていいか分からなくて駄々をこねていた。母が「それなら途中までついていってあげる」と言って、強制しているのは当の本人なのに、私も私でなぜか不承不承出かけた。
木枯らしの中をふたり、私が前を母がその後を歩いていた。黙って歩く。渇いた冷たい風に髪が乱れたけれど寒いとは感じなかった。気付かぬうちに目からは涙がポロポロと溢れて落ちていた。声もなく泣きながら風に向かって歩いていた。
羽織った服が向かい風に広がらないように、胸の前で腕を抱きしめる格好で歩いていた母が私の涙に気付いて立ち止まった。
2人ともしばらく黙って立っていた。
丸めた背中のまま、母は「そんなに嫌なのか」と問うて私の答えを待たずに「そんなに嫌なら行くのやめよ」と言って今来た道を引き返し始めた。
自分が何を思ってたか、何か言ったかは覚えていないけれど、その景色をなぜか俯瞰で思い出すことが多い。
私の心はどこにいたんだろうか。
ただ辛いとか嫌とか、それを言葉にすることが出来なかった。その後家までの道すがらのことも、帰ってからのことも覚えていない。
ただ、幼少期から通わされていた教室を止める代わりに、自分の好きな先生を探して来なさいという話になっただけの、あの日。
こうして文章にしていると、私の心は鎮まって行く。
誰かを責めることもなく、灰色の空、風になびくススキや枯れた芝生や、金網のフェンス、ひと気のない団地の中の細い道、ガタガタしたアスファルト、そういう自然の事象だけが思い出される。
あと1時間もしない後に、私は新しく建て替えられた団地のひと部屋の中に吸い込まれる。
ただそれだけの1日のことだ。
私の涙に、もう母は気付かない。
いや、気付いたのはきっとあの日だけだ。
私は数え切れないほど誰もいない家の中で泣いていた。