「キャパの十字架」沢木耕太郎著 なんとか読了
世界的に有名な戦場カメラマンとかマグナムうんぬんてのを、うっすら知ってる程度やったので、
貸してもらう時はかなり嬉しかったのやが、
マイ読書ブームがなかなか来ないのと、持ち歩くには結構厚く重い単行本ということもあり、
手にするまで2ヶ月以上かかった。
読了までも2週間、くらいかな?
まあ、長かったな。
キャパを戦場カメラマンとして有名たらしめたある一枚の写真の真贋について、
キャパについての著書の翻訳などをし、また小説家でもある作者が、微に入り細に入り検証を重ねてゆく話である。
はっきり言ってしまうと、
そのあまりにしつこい疑問と検証の繰り返しに、
「もう、真贋とかどっちでもえーやんかいっ」
とめんどくさくなり何度もくじけそうになる。
これは、この本の存在を根底から否定するという暴挙とも言える感情であることをわかりつつも、
貸してくれた人に「ずっとこのままこの話が続くのか」と問い、肯定されて肩を落とすという始末。
完全なる中弛みを経て
なんと、
後半は一気に駆け抜けた。
さっき、
ウチに着いたらこの勢いなくなるのが惜しいなと思い、
駅そばのマックでマックフロート飲みながら、あの中弛みが嘘のように夢中でゴール。
あとがきまで楽しんだ次第。
思うに、
カメラの種類、性質、フィルムサイズ、縦横比率、トリミングの有無、
更には撮影されている景色、影、人の名前、服装、姿勢、エトセトラエトセトラ…
そういった細かな検証内容を
著者には申し訳ないが気に留めないことにしたことで、
著者の熱意と、キャパの歩いた道に導かれるように読み進めるようになったからやろう。
これらひとつひとつを理解しようとすると、その理解にばかりとらわれて、
この検証の先が
キャパの写真はヤラセやったのか、
キャパの撮影ではなかったのではないのか、
そもそも、この場所は戦場ではないのではないか、
それが明らかになったからといって、
キャパの功績や戦争の非情さが否定されるわけやないし、
何のための検証なん?という愚問にぶち当たるワケだ。
はっきり言えば、その検証内容がややこしくて理解しきれなかった…
というお脳の足りなさを露呈した結果、
急に面白くなって読了に至ったとゆう←
結果としてこの本はなかなかに面白かった。
頭の良い人はまた別の面白さかあるやもしれませんが。
とにもかくにも、
沢木氏の熱意もさることながら、人間ロバート・キャパについての本を読みたいなぁという気にもなったわけなので。
熱帯雨林を探してみるかー