映画「あなたを抱きしめる日まで」
イギリスの修道院で若くして未婚の母となり、神を崇拝する者たちに子供を奪われ、年老いてからその子を探すロードムービー…
かな?
主役は007のMでおなじみのジュディ・デンチ。
俳優なのだから当たり前と言ったら元も子もないのだけど、同じ容姿なのに、これほど別人としか見えなくなるものなのか、とゆう。
修道院の非道も、ジャーナリズムの正義感も、彼女には掘り下げて考えない。
決して洗脳やマインドコントロールを受けているわけでなくて、純粋に神を信じているだけで、親としての愛情以外に彼女の心を揺るがすモノはない。
宗教観とは不思議である。本当に自分は信心がないので不思議でたまらない。
紙一重で邪悪にもなるのに、でも宗教でなくても人の心はいつも紙一重なのかも…?
腹を立てたり憎んだり、高じて人を傷つけるのは日常的にあるものだ。
んんんん?
養子に出された子はあっけないほどすぐに見つかるのだけど、彼女の旅はそこからが苦悩に満ちて行く。
熱心なカソリックの信者であり、母であり、そしてごく普通のおばあちゃんでもある彼女は、悲しい経験をしながらも、最後まできっとどこにでもいるひとりの人間だ。
修道院を赦すか赦さないかは、この際どうでもよいのである。
とてもいい映画だった。
考えたら深いけど考えなくてもいい。
こういう人生、こういう神様との付き合い方があるんだなとか、親ってそういうものなんだな、とか。