ぎこ記

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

映画「ヒート」〜超絶良いので観て欲しい

95年でも全然かっこいいのヤダもう。ポケベルとか公衆電話なのにかっこいいの、わかる?アルパチーノにデニーロがギラギラなのに愛しい… はぁやっぱマイアミバイス好きには堪らんよねぇ、震 ふー…

あああマイケルマンすげぇええやっぱすげぇ好き過ぎるぅ。あと今さらアルパチーノに心臓ギュインギュインしたし、涙腺バカガンガン発動したし、サントラが控えめに言ってサイコーだし、なんならフィルコリンズなんで書かせなかったしっていう。 どうしよう、全オレ史上最高のかっちょええ映画かも

 

 

3時間弱もある長さって知らなくて観始めてしまったんだけど、超絶良くてばぁああってツイートしてました。

マイケル・マン監督は、私の大好きな刑事ドラマテレビシリーズ「マイアミ・バイス」の製作・監督を手掛けた人。犯罪者と事件に関わる警官の人としてのドラマを熱く表現してくれる。

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この、このカッコよさよ!マイアミ・バイス

何年か前に「マイアミ・バイス」映画版を作ってたけど役者に思い入れがあったので新キャストは興味が湧きませんでした。ていうかドン・ジョンソンが好きすぎてほとんどマン監督に注目できてなかったです。遡ると気になってた作品がいっぱいあって、トムクルだから~って観た「コラテラル」の雰囲気!そうだ、あの冷たくも熱い夜の街の表情はマン監督らしいことに気付いたり…。

まあ、「コラテラル」に関しては冷酷非道な犯罪者の容赦ないクライムものだった気がするけど、どうだっけかなちょっと気になるのでウォッチリストに入ってることだし観なおそうと思います。↓頑張った結果

bionic-giko.hatenablog.jp

今作はその何年も何年もずーっと前に作られてました(知らんかった)。マン監督はこれが描きたくていくらやっても尽きないんだろうなと思わせてくれるハードな長編映画でした。

 

さて、今や私の中で”怖いけどかわいい笑顔のおじいちゃん”のロバート・デニーロ*1と、名前しか知らず作品は多分一つも観てないアル・パチーノとの共演。往年の大俳優じゃないか、すげぇな…ハードそうだな…と。

 

ほんとすげかったです。

問題は私の脳内の外人認識システム。別に似てないことは分かっているんですけど、外人がアジア人の顔を認識できないように、私も見慣れない外人は識別が困難デス。もう許してほしい。誰にってわけじゃないけどほんと、どうしても見慣れるまで「誰っ?これ味方?」てなる…泣。

デニーロとパチーノで!!!

どこが似てるって、多分似てない!ただ黒髪、黒い瞳、身長ちっさめ、黒ずくめスーツ!渋メン…

え?普通に似てない?…見慣れてないともうあかんやん…?

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今気付いたけど髭…w

乱暴で罵声が飛び交うヤクザやマフィアの応酬映画はすごく苦手で、それゆえにほぼ観てないです。パチーノやデニーロの出世作は「ゴッド・ファーザー」シリーズだろうことは知ってるのですが、未見のままです。(家人が好きでシリーズ全巻が家にあると思う)

 

冒頭は特に、強盗団のリーダーとしてデニーロ、事件捜査担当のリーダーとしてパチーノの個々にそれらしいシーンが入れ替わりながら進みます。場面がくるっと変わると「ん?どっちの話?」てなってました。しかも2人が並ぶシーンがないです。比較不可能!どちらかのドラマが進み、もう一方のドラマも同時に進むという手法でした。

仲間や家族を含めて、犯罪集団と警察官の生活が全く別世界で進行してるのに、なぜかそれぞれの心情や姿は苦渋に満ち、孤独に震えている様に見えます。

物語としてもこの2人は対象的な位置付けであるものの、志と信念に生き、人を寄せつけず休める場所もない、同じ様な孤高の人間として描かれています。善悪の対極にいながら鏡に映したようなふたりの人間像。

それ故か、善人と悪人の違い、その境が曖昧になります。

 

いつしか殺伐としたやりきれないような暴力事件の渦中で、お互いの存在を強く感じるように…(その辺りになるとちゃんと判別できてるよぅ!!)

 

彼らは孤独の中でも、安全に完遂すること、その中で守りたい情や正義を追究しています。上手く行っても行かなくても、彼らの守りたいもの、求めるものはそれです。突き詰めるが故に周囲の人間が追いつけなくなり、孤独は深まりますが、それでも彼らはそこから降りることをしません。できないのか…いや、望んでそこに居続けるのです。

 

マイアミ・バイス」の1話完結ドラマでも、そういう空気があります。暴力や悪意、犯罪にまみれた世界で必死にバイス達が守ろうとしてるもの、それは人として決して譲れない、壊されない、どんなに悲惨な結末になっても目指すところはいつもそれで、自分たちは決して折れないし悪意に迎合したりもしないんだっていう。泣きそうになるほどに絶望の中にあっても。

 

マン監督ってこれが好きなんだろうなぁって思ったところです。

 

強盗団と警察の街なかでの銃撃戦シーンはマニア必見と言う方がおられました。まーほんと長いです。映画(アニメ・ドラマ含め)あるあるですけど、"どんだけ犯人に当たらんのや、なんで車を盾にしてるのにそんなにやられるんや"…そんだけ犯人の装備がすごいんでしょうねきっと。

 

「ツーショットシーンがないのは、実は二人は仲が悪くて上手いこと加工してるんやろ」なんて噂もあったそうですが、メイキングにはこんなのが。左がマン監督ですね、若い。いやみんな若い。

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ていうかそういう役者のプライベートがどうとかって要らん話ですよね。私は作品が良ければいいっす。

 

結局のところ、ロバート・デニーロが好きだけど、アル・パチーノもいいんだなぁと後から後からじわじわ来てます。いや、このヴィンセント警部補が惚れるくらいいいんだけど。デニーロは結局犯罪者なんだよね。完璧な犯罪の中に情を滲ませて破滅の危機に陥り、一人の女性の人生をも振り回す。

熱に浮かされて善悪の境が曖昧になってたけど、やっぱり正義に勝って欲しいし口が悪くて乱暴者でもヴィンセントが好き…

結局、やっぱりマン監督はそういうことを描くんだなぁって思いました。

 

しかしながらこの2人の孤独と葛藤は胸掻きむしられるほど魅力的なのでとにかくこの映画、サイコー…

*1:

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↑これなの。見てこの好々爺っぷり。

あと記憶にあるのは2年くらい前に観た「タクシードライバー」のキレッキレのギラッギラなやつだし、それ40年前の映画だし。