家事代行サービスを利用してみた。③
1回の利用の感想としては長すぎましたが、最終です。とうとうその日が来ました。
こんにちは~
あいにくの雨模様。
到着は定時を少し過ぎていた。入っていただき「さて何から手をつけましょうかねっ」という前のめりな状態でいると、すかさず「ちょっと着替えをさせて下さい」とのこと。
え?
着替えるの?
え?えっと、
じゃあ、と洗面所へ案内。数分待つと、三角巾を被り「タスカジ」のロゴ入りエプロンと三角巾を頭に付けた姿で出てらした。なるほど制服!作業着!
聞けば普通は駅のトイレなどで着替えて来るのだそうだが、雨で難しかったと。準備万端で待ち受けていた私、「えーすぐとりかからんのかーいっ」とか…もう器がちっさ!
それにしても、雨でも晴れでも駅のトイレなんてそんな清潔な気がしないし不便だよね。知ってたら快く場所も気持ちも準備しておけたのに。(サイトに記載あるのかな…?)
自己紹介や片付けの概要はメッセージでやりとりをしてあったので、すぐにクローゼットを見てもらう。
作業を始めつつ個人的なお話をちょっとしてみた。ご家族のこととかこの仕事のきっかけとか。でもそういうのは不要だった。どうしても会話が欲しければ今回の依頼について私の希望などで良かったのだ。
作業に没頭する
ぎこちない会話はすぐに途切れ、作業の選択や効率を考えたりするのに必死になっていた。相談しながら作業を進める。畳む、仕舞う、重ねる作業をタスカジさんに任せてさて、自分は逐一「その先どうする?」と腕を組む。
「やっぱりこれがあったら何も進まないですよね!」と言ってカオス山を崩した。クローゼットから部屋中央に向かってぶちまけるとカオス海になった。それらの要る要らんはこれから私がしなければならない。凹…。
滅入って振り返ると山を崩した後に想定外に変形した古い特大収納ケースが。これを廃棄と即断、中身を新しい収納ケースに入れ替える作業を更にタスカジさんに指示。私は私で突如空いたスペースを使って、ごちゃごちゃだった服を季節や着る頻度、丈の長さなどよく考えながらラックに掛け直した。
黙々と作業をしてだいぶスッキリしてきた。タスカジさんもたまに顔を上げて「わぁキレイですね、」という感じでふむふむ頷く。
カオス海はまだそこにあるけど。
凹…。
私の集中力
雨だけれど温度は低くなく、蒸し暑さもあって私がへばってきた。だいたい2時間過ぎた頃だった。まだカオス海に手を付ける気持ちになれない。凹…。
「一息ついてお茶でも飲みませんか」というと、タスカジさん「私は水筒がありますし、どうぞ休んでください。洗面所周りを見て来ますね」
え。
自分の集中力は2時間が限界なんだなぁと実感。冷たいコーヒーをごくごくしてぼんやりとカオス海を眺めた…。
さっきからそこは何も変わらずカオスだ。(手を付けてないから)
凹…。
タスカジさん、すごいなぁ。3時間無駄なく休みなく動く…あ、当たり前なの?
洗面所周りというか洗濯機周りは「もし時間が余る様ならお願いしたい」と言っていた。タスカジさんは「じゃあ何かありましたら声掛けてください、こちら掃除しますね。」といって何故か風呂掃除を始める…どうやら洗濯機周りは思ったより汚れは酷くなくてすぐに終わったらしい。
とりあえず風呂掃除に必要な洗剤や道具を慌てて出してお願いし、私はいよいよカオス海に対峙する決意をする。そこがどうにかならないとクローゼットは終了しないのだ。
というか、もうほぼそれを残すのみ。
既にクローゼット内自体は驚くほどさっぱりと片付いていたのだ。
終了へ
タスカジさんのお風呂掃除をちょいちょい見に行きつつ、カオス海に浮かぶ幾多の衣類を分別していく。深い考えも迷いも無用。「要る」か「要らん」だけ。要らんもんは即時ゴミ袋へ。結果ほぼ「要らん」だった。気付けばカオス海は消え、時間も終了間近になっていた。
風呂場を見に行くと、長年蓄積された水垢を塗装に気を付けながらマイナスドライバーで削ってくださっていた。そ、それはちょっとサビが怖いし、そろそろ作業全部を終了してもらうようお願いした。
着替えをそのまま洗面所でしていただこうと思ったが、何故か固辞された。数分を残して玄関先で挨拶をすると、腕時計を見て「あぁ早すぎました、すみません」と恐縮している。もう十分密度濃く仕事をしていただいたのでお礼を言って気持ち良く送り出した。
私は満足していたし疲れもピークを超えていた…。
終わってみて
作業を説明する際にいちいちタスカジさんが謎の沈黙になるのが気になっていた。聞くと「事前に聞いて想像していたより全然綺麗で…」とのこと。
自分では相当気に病んでいたのだけど、他人からすると(他にもっと壮絶な現場はあるんだろうが)そこまでじゃないということなのか。確かに「どこから手を付けていいか分からない」とか「足の踏み場がない」というほどじゃないけれど、「なんとなくあちこちに規則性がなくモノがある」という感じ。
タスカジさんの知恵を拝借して部屋全体の雑然とした雰囲気を払しょくしたかったのだが、今回はクローゼットに特化してしまった。そこまで至らなかった。(お風呂は私のやる気次第で同程度にはすることが可能)
私の説明が足りなかったのかもしれないのだが、実はタスカジさんに「整理術・整理の方法などのアドバイス」を期待していた。
クローゼット整理の目途が付いた時点で風呂掃除に移行ではなく、「それよりあの辺この辺のごたごたをどうしたらいいか考えて欲しい」とお願いすることに思い至らなかった。これは自分の準備不足や集中力不足のせいであったと思う。
片付け・整理は、自分が主になって進めなければ納得いく結果にはならないなぁという気がした。
もちろん家事代行サービスを依頼をすることで、自らのやる気が出る、作業の効率が良くなる、自分が力尽きても飽きてもとにかく結果は付いてくるという利点がある。
そしてタスカジさんの中には「整理収納アドバイザー」といった資格や知識を持った方もいるので、自分で考えがまとまらない時とか拘りがなければ専門家に丸投げするお願いの仕方もアリだと思う。
なんにせよ廃棄物
今回、最終的に準備作業も含めて出た廃棄物は、特大収納ケース・年代モノ掛け布団1枚・スキー用品一式2組、その他もろもろゴミ45リットル袋x6(多分、もしかしたらもっと)という量。
その日以降も、家の中でに廃棄・処分できそうなものは事有るごとに気付くようになってきた。実際「使うよねぇ」と思いつつ使っていなかったプリンタを捨てた。ほかにもあるはず、まぁそれはまた追々。
とにかく、片付け・整理前には「棄てる」という作業がとても重要なことがはっきりと言える。もちろん作業中にも廃棄物は出て来る。けれど今なぜこんなにも混沌としているのかと思う時、「捨てていないから」ということに思い至っていない。分かっていても少し売ったり捨てただけですぐに次のものを買ってまた容易に混沌に戻ってしまっている。負のループ。
片付けるにはとにかくスペースが必要だ。
まずはものを捨てていくことが、日頃から片付け上手になるちょっとしたポイントなのかもしれない。