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映画「レッド・スパロー」タイムリーすぎてリアリすぎる

ロシア!ロシアひどい!!

私とてつもなくぬるい国でなんとなく生きててごめん!!最近思い返してみると、私の中では大体のことが「申し訳ない!」で片付いてしまって良くないのかもしれない。申し訳ありません。

それにしても、つい最近イギリス在住だった元ロシア人スパイ親子が消されかけるっていう事件がリアルに起こってるものだから、なんかずるくないか…。

 

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ロシア風の微妙な空気感

ジェニファー・ローレンスはアメリカ出身だし、スパロー養成所の教官(シャーロット・ランプリング、イギリス出身)は「わたしを離さないで」の校長先生と完全に被ってしまって、雪景色の中の古びた建物なのにイギリスの荒野が目に浮かんでしまう。

叔父さん(マティアス・スーナールツ、ベルギー出身)は完全にロシア人に見える。もうこの人以外ロシア人にしか見えない。なんならプーチンさんに似てる。もしや影武者なのでは?くらいに似てる。機密を西側に漏らすモグラ(某)は完全にイギリス人にしか思えない。

(…全部私の中の雰囲気の話が延々続く。)

スパローとしての初仕事での上官が酷かった。あれ絶対にアメリカの田舎のボロいレンタカー屋の社長でピザとコーラでだらしなく肥った間抜けな上にゲスいおっさんだ。どう考えてもあの体制のロシアで地位を獲得できるような人物には見えない。養成校に入って3日で死んでるはず。いや3日もたないはず。

養成所での仲間もルームメイトもヨーロッパ感がすごい。なんで東欧人を起用できなかったんだろう。謎だ。

なのに「アメリカ英語を封印」したは何故なのか。英語がむちゃくちゃ訛っててむしろ聞き取りやすい…いかにも「英語圏外の人が英語話してます」。聞き取れるし字幕なので、なんだか「スピードラーニング」させる気なのでは?とか何度も思ってしまった。

 

時代がよく分からなかった

国立バレエ団の施設とか養成所のオンボロ具合は完全に5、60年くらい、いやもっと前に見えてしまう。でも最後に出て来たヘリを見るとそんな昔の話じゃない。むしろ最近だ。養成所では「冷戦は終わっていない!ヨーロッパは弱体化している!」て少し国際情勢に触れてた。ただ私、そこ疎いから読み取れない。とりあえずあれか、ロシアならではのハイテク事情()の遅れか!と。

だってとにかくロシアのシーンが質素でノスタルジーを感じさせる世界感なんだもの。アナログな鍵の開錠習得の場面、ブラウン管のテレビ…全体的にセピアかモノクロかというほど色がない。

あ!でも!フロッピーディスクだった!機密データの取引でバッグから取り出されたのは数枚のフロッピーディスク!!見た瞬間に、Windows98辺りでパソコンのバックアップの為に箱買いしたフロッピーディスクの記憶が蘇った…。これ実際必要になった時のことが不安で仕方がなかったことを思い出して絶望感すら蘇った。
頭の中では現代のお話で落ち着いてたもので「データ保存になんかしら円盤使えない事情とかあって敢えてのフロッピー?」程度にしか思わなかった。
その辺りかも!?(結局謎なんだけど)

 

ロシアや中国は行ったことがないし、インフラも含めてどれくらい私たちの生活と隔たりがあるのか全然分からない。もしかして2018年の今もWindows98(いや例えばの話、例えばの)使ってるかもしんないし、電話もジリリリンて鳴るやつなのかもしんない。そりゃ国家戦略の中枢はそんなことないとは思うけど、それでも庶民の生活はパソコンなんかすっ飛ばしてスマホなのだろうとか想像する。

 

人間くさいドラマ

散々「すげぇ違和感」な話をしておいてなんだけど、スパローとなった主人公の人生があまりに凄絶過ぎてめちゃくちゃにのめり込んだ。間違いなく3回シートでジャンプした。息を詰めてる時にビックリさせる方法はずるい。

皮膚削ぐ電動ピーリング、身体ガチガチなった。恐怖映画ならそれなりの覚悟してきたのに!ってちょっと腹立たしい。ずるい。

 

ウォッカ飲んでパンを買うために並んだりする庶民と、例えばこの主人公のように才能を活かして国を代表するバレリーナやスポーツ選手などになって一族みんなが裕福に暮らせる特権階級に昇れる人がいる。けれど何かの拍子に転落すると庶民にすら戻れない。女性ともなると血を流すだけでなく服を脱ぐことを最大の武器と教え込まれる。…極端すぎる。私の温い人生ではとてもじゃないけど、正気を保てると思えない。

バレエの才だけでなく生まれもっての(?)頭脳を駆使できた彼女は「自ら服を脱ぐ」という戦術もギリギリの尊厳を保って切り抜けていく。如何に理不尽で残酷な運命でも屈しない。観ていて悲しくなるのは、賢明さと冷徹な姿勢の裏に強く深い情が見えてしまうことだ。といってもそれがホンモノか分からないのだけど。

参っちゃうほどエモい。

 

最後はアメリカのスパイ映画にありがちな「アメリカこの野郎っ!」てのがなかった。めでたし。(?)

しかしどうして女スパイは金髪にならなあかんのかな。無関係だろうけど公開時期が近かったせいもあってどうしても被ってしまうよね。あ、でも半年か。それにエンタメ色がかなり強かったよな、これは↓

bionic-giko.hatenablog.jp

 

リアルな恐怖感が結構抉ってくる「レッド・スパロー」。良かったー。

ジェニファー・ローレンスがなんでか本当に良いんだよ。好きなタイプじゃないのにいっつも感心する。

 

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