ぎこ記

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

スズメの件

「弱ってる動物を『保護するな』なんてひどい」

「法律ですから」

 

人間社会に生きる為には法律は守らないとならないので、感情論では楯突けない。なんていってもこの法には罰則もある。結構厳しいやつ。かわいそうだなんだと駄々こねても、それは変わらない。

 

鳥獣保護法」は文字通り動物を護るために制定されてる。「保護したい」のに法律では「保護するな」とある。矛盾してるようだけど、自然界に人が手をかけちゃいかんのですよ、それは自然を守りひいては動物たちを守ることになるんですよ、ていう話だから矛盾はしてない。

 

それでも、弱って今にも死にそうだとか今にも捕食されてしまいそうだとか言う小さな命を目の当たりにしたら、助けたくなるのが人情。可哀想だから助けたいと思う。自分には自然な気持ちだし、今騒いでる人もそうなんだと思う。多分興味のない人にはそんなことないだろうけど。

 

ちゃんと言えば、「飼育目的に捕獲すること」は処罰の対象になる。ただ「動物や卵を病気や他の理由で緊急に保護を必要とする場合は捕獲や採取が可能」っていうのもある。読む気が失せるから法文を掲載しない。合法的に保護することも可能なのだという。まぁそれもちゃんとどこやらへ許可を取らなきゃならないとかめんどくさいし、そもそも法律ってのはなかなかに「実用的じゃない話」が多いんでしょうけども。

 

要するに、野生動物とて命は尊いものだし、救いたい気持ちを誰にも非難されるべきじゃない、でも法律としては「自然界に人間は介入しないように」、「飼育は絶対ダメ。それを売ったりする人が出てきたら売買目的の捕獲が制御できなくなっちゃうからな!」てのが言いたいんだと思う。

どっちもすっごく大事。命を守るためにすっごく大事。

 

法の抜け道をっていうわけじゃないけど、保護してある程度まで育て(飼育し)て野生に返すとか、野生に返せないなら「飼育」ではなくあくまでも「保護し続ける」という解釈で、そしてなるべくおおっぴらにしないようにするのが得策じゃないかな。

 

もう一回言うけど「法律法律って、ちょっとくらい見逃しなさいよ!」て感情論は無意味。どうしても許せない人は勉強して(あとどうすればいいのか知らんけど)、法律を変えられる人になった方がいい。

通報が来たら機関の人たちはスルー出来ない。それが仕事なんだから。「可哀想じゃないか!」じゃ法律もそれに則って仕事してる人たちも変えられない。

 

「んじゃ今回だけね」って言ってそれをSNSで発表されてみなよ、「あれはいいって言ったじゃない!」って言い出す人おるんやで。

 

法律に定められたことを守らないなら、日陰を行きましょうよってこと。そしてリスクもちゃんと調べて考えようね。例えば保護の仕方とか感染性の疾病とか、例えば命の責任のこととか。

 

ちなみに私は基本的に手を出すことはしないようにする。辛くてもそうする。救えるかどうか自信がないから。あと法律を綿密に調べるのも億劫だし、病気のこととか責任も負えないから。

野生に生きる動物を手もとに置くことの寂しみみたいなものを知っているから。

 

 

こんなことありましたけどね。

bionic-giko.hatenablog.jp

人間が一喜一憂してるだけで知らんところでたくさんの命が生まれては消えているのですよね。乱暴な言い方だけどスズメの子が衰弱死してもカラスに食べられても、絶滅したりしてない。 己の「可哀想なスズメ、すごい可哀想、哀しい」ていう感情は己の中で解決しようって思ってます。