ぎこ記

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

映画「世界にひとつのプレイブック」その邦題はどうにかならんのですか、どうにか

昨夜BSで放送してました。以前からちょこちょこ名作っぽい情報が入るも、タイトルで「ザッツアオハル甘々スイーツ映画っしょ!?」って勘違いしててスルーしてました。

 

いやいやいや、全然違うし!すっごいいい映画でしたすみません!!

 

原題は「Silver Linings Playbook」。

”銀の裏地”は、見えないけれどめくると存在してる素敵な物事、転じて「希望の光」というアメリカの慣用句(だか諺だか)なのだそうで。そして"プレイブック"はラグビー用語。…アメリカの諺とかラグビー用語とか、確かに難しいのは分かるけど、もうちょっとマシな邦題にできんかったんかいって言う… 

いや実はずーっと「プレイバック」に空目しててなんなら音楽映画なのでは?(山口百恵ェ)とすら思ってたよ…私はそう!ぼんくらですわ!!w

そんなぼんくらが感想書くのもおこがましいですけれどもww

もうさー「銀の裏地」だけだっていいやん?ん?なになに?何の話?てなるやん?無理に「プレイブック」突っ込むから長いし意味分からんようなってるやんか。「バリバリラグビーアオハル物語」だ!って観に行くラグビー沼の人いたんちゃうか?←ぼんくらしつっこい

f:id:bionic_giko:20180220213617j:image

放送に気付いたのが、始まってから20分くらい過ぎたところからでしたけど、一気に作品に入りこめました。(そこまでは割とキツい内容っぽかったので後半への盛り上がりに難を来したかもしれないです)

精神ヤンデル系だと「Angel Baby(豪・B級。盤発売なし)*1*2がバッドエンドながらかなーり好きで、やっぱりちょっと空気感が独特で思い起こさせるものがありました。

 

ブラッドリー・クーパー、その微妙な空気感醸し出す演技は本当にドキドキ。「あれ?俺なんか変なこと言ってる?いやそんなことない、俺は大丈夫、俺は治ってる」みたいな。視線や手の動きが定まらない不安感…。

ジェニファー・ローレンスが相変わらずビッチ感ありつつ実は超魅力的女子できゅんきゅんしちゃいます。彼女はすっごい化けるんですよね。独特なオリジナリティが発揮されてるのに役によって全然違う色がある。実はそんなにタイプじゃなかったのですけど、最近観るたびにハッとしてしまう俳優さん。ハスキーボイスも憧れ。

そしてまたもやデニーロの笑顔と、賭けに興じるちょっとアレな感じと涙にやられ、久しぶりに見たクリス・タッカーが肥えてて爆笑しました(笑)肥えても声が変わらん!

 

映画『世界にひとつのプレイブック』予告編 - YouTube 

エピソード多いし、もう少し丁寧に追ってほしかったかも。冒頭観てないとしても、なんとなく荒めな流れに感じました。でもそのおかげですぐに察しは付いたし、何より素晴らしい俳優たちの細やかな演技できっちり仕上がった良い作品だと思いました。

自宅で余り集中できなくて涙腺バカは発動しなかったものの、ほっとしました。色々問題はありそうだから「ハッピーエンド」とは違うかなと感じつつ、とてもほっこりしました。

 

 

精神に問題を抱える人は実は純粋な気がします。衝動を抑えられないんだけど、その衝動が実はとても純粋なものではないかなぁと思います。騙すとか陥れるとか、そういう邪なものじゃなくて。

社会性や他者との距離感、自分の気持ちとの折り合いを上手く付けられなくなってしまう、何が正解かを必死で探って、本当は分かってても衝動の発動に鍵を掛けられない、上手く鍵穴に入れられなくない、持ってたはずの鍵すら失くしてしまった…。

軋轢やひんしゅくが生まれることより自分の思いが先走ってしまう時、ダメだと分かるのにコントロールできない時、その焦り…結果的に暴発して、誰かを傷つけてしまうという事態になる。

カニズムは知らないけれど、普通は「理性が働く」ことでそう言う事態を防げるのに、悪意なく他者を巻き込み煙たがれ、本人も傷ついて行くという悪循環。

カウンセリング、投薬治療、そして周囲の理解や、様々なアプローチで衝動のスイッチや抑制の鍵を取り戻して行けることもあるんだろうなと思いました。

とは言え重ねて言うと、これは簡単にハッピーエンドではなくて、ひとつのハードルを越えたお話ではないかなと思いました。

「銀の裏地」は見つかった!でもこれからも彼らには大小様々なハードルが待ち受けている気がします。一度でも壊れた心はそれほど厄介なものです。

表地が破けない様、裏地を大切にしなければならないのです…

 

 

ああああああ上手いことまとまったわあああ←