「無垢の領域」 著 桜木紫乃
知人が貸してくれて本当に久しぶりの読書。
私は子供の頃から読書が苦手で活字を読んでも頭に入って来ませんでした。音読は得意だったんだけど、考えてみると音読しつつ内容は空っぽだった気もします。それくらい本は苦手で小学校での図書カードも嘘書いてました(何遍もこの話書きますけど、それくらい嫌な思い出で嘘つきの始まりだった気もしてて…まあいいや)。
今は、読書が出来る読書モード(略して「読モ」)になると読了が続いたりする程度。苦手意識はまだ残っています。
で、(前置きなげぇわ)久しぶりの読了備忘録。
これ、辛かったっす…
まさか、終盤になって読み進みが速くなったところでまさかの純香。
えーー!
えーーー
えーーーーーーー!!!
そんなぁああああ…と愕然としながら以降をあっという間に読み進みました。
最初っから暗くて陰気な物語だったのに、いつか何かが晴れてくるのかと、いつか暗く湿った空の下に太陽の光が射すのではと期待して、少しでいいから清々しく気持ちのいい空気を吸わせて欲しいと思っていたのに、まさかの…
そんな展開ズルくない?それしかないの?どうして純香の様な存在をそういう風に結ぶのか、暗い話だからこそもうちょっと落としどころを目新しくして欲しかった。
寝たきりの親の介護の話もきつかった。
なんか全然真実味のない猫の飼い方も気になった。「野良猫を拾ったら」ていうのくらいもうちょっと調べて欲しかった(こんなとこに引っかかるのはうざいかw)。
文句ばっかりなった…。なんやかんや読了に至ってるわけだけども。
大人の狡さや愚かさ、それを許せないのに究極な純粋さも許せなかった少年の衝動、誰の心にもある無垢なモノへの隠れた嫌悪。生きていたら呑みこんで行くしかないことを知ってるのに、あらためて突き付けられると逃げ場がなくて辛い。これでもかと突いてくる。そんな作品でした。