ぎこ記

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

映画「三度目の殺人」

連休中日、そう台風が来るその日、「帰って来れますように、電車止まりませんように、途中で泣き崩れて倒れてしまいませんように」などと唱えながら行ってきました。ほんとに、猫のことで何も手に付かないのに…。映画予約とかってキャンセルできないシステムを本当にどうにかしてほしい…。前日のパイプオルガンリサイタルに続いてリハビリみたいな外出となりました。

 

 

常々こんな役どころ

ここのところ私が観る広瀬すずは「傷つけられしモノ」みたいな役柄な気が…たまたま続いてる?(ていうか青春モノを観てないからかもしんない。「ちはやふる」なんてそんなことないんでしょうし)。今回も、もう雨に濡れてしまった仔ウサギの様な、そっと触れないと壊れてしまう極薄ガラス細工の様な、すでに脆くなってしまった1000年前の折鶴の様な(だんだん例えが…)、とにかくそんな感じで規制線を張ってうっかり触らぬよう厳重に保護しなければならないっていう感じの役です。


あと根岸季衣の使いどころがもう、なんだろう、手塚治虫とか松本零士とか往年の漫画家が自作に様々な役柄で出演させるキャラっていうか、もう監督問わず「根岸季衣」役でええんちゃうかという。あれだけ特徴のある雰囲気にあって、何にでもなれる役者ってすごいと思う。正に「名バイプレイヤー」。あ、今回は(も)ほんの些細な役なんだけど。でも映画がビシッと決まるという。ズバァッて記憶に突っ込んでくるキャラなんだよ。誰か作品別に根岸さんの役柄まとめてくれないかなぁ。年表とか。藤原竜也並みの安定を見せる役者だと思うんですよ。いや比較が変だけど。

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役所広司の顔って相当でっかい

て、みんな思ってると思うし私も思ってたけど、ラスト、判決後、拘置所を訪れた福山雅治の顔とオーバーラップさせる印象的なシーンで、「意外にそうでもないの?」てなる。あ、縮尺合わせてるのか。そりゃそうか。(もうどうでもいいけど気になる)このシーンが私には非常に、圧倒的に震えるようなものがありました。

泣けるとかではなく、理解したいのにできないのか、する気がないのか、何が真実で何が正しいのか、延々とその命題をいちいち投げつけられてきてここに至る訳ですが、頭の中がフリーズしてしまうシーンでした。

裁判映画にはよくあるテーマですが、是枝監督はそれを観ている人間の心に委ねてしまう、剥き出しなのに曖昧なまま終わらせてしまいます。

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これは結審前の対決シーン(たぶん)。圧倒的に役所さんでっかい(縮尺変えてない)


福山雅治は役者として安定してるのか

そうともそうでないとも意見がありそう。私の中では「いやいや安心できんやろ、本人もしてなかろう」ていう感じ。今回は福山雅治の手と眼がすごく印象的に撮られてます。いい男は手だけでもぞくぞくするんかよという。ずるいのう、いい男は。(要するに演技ではなくてスタイルを見せられた感)。

前からこんな瞳でしたっけ?みたいな黒目

そんなにファンというわけでないのでパーツにも詳しくないんですけど、予告や番宣、ポスターなんかでもとても気になってた。

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これは新曲「聖域」のポスター。加工なのかカラコンか、赤っぽいギターのせいか、またはナチュラル?

 

やや透けて茶色がかってる。そして大きい。昨今カラコンや映像技術で目の印象はいくらでも変化させらるけど、気になります。

映画に戻りますが、前出の役所広司とのオーバーラップシーンは横顔で、涙が溢れそうで溢れないギリギリのところを長々とガラス越しに見せます。観てる側は「一体どうなんだ」というテーマに縛り付けられているのに、福山のその瞳から零れ落ちそうで落ちてこない涙を見せつけられます。こっちは軽いパニックに陥ってフリーズします。

そのシーンだけで言えば、劇場の大きなスクリーンで観る価値はありました。溜まった涙はテレビだと気付けないかもしれません。いやどうだろう、結構な大写しですけど。 

 

 

どうでもいい事ですが
役者さんの名前とかの確認で鑑賞後にちょこっとググったら、あの、レビューとか感想を飛び越えて、あらすじ詳細載せつつ、独自の見解を何千字とか(以下自粛

 

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