ぎこ記

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

永久凍土のおもいで

あの時好きだった人はいつも私を見てくれてたわけじゃないけど、多分いつも思っててくれて、私もずっと思ってた。

それは恋だったのかと自問することはなかったし恋をしていい人でもなかったから考えなかったし、今も分からない。何をしても何を考えてもよく似ていて、「似てるね」とか言うことなんかなかったけど、寂しくて寂しくてそういう顔を見つめられて「寂しい目をしてる」とか、大草原が広がるような言葉を普通に吐いてる人で、「はぁ?そう?」と思いながら困ったりしてた。

 

何言ってるんだと思われてもいい。

そう言うことって人生には1度くらいあってもいいけど、出来ればない方がよかったな。案外だれにでもあると思うけどさ。

 

あの時もあの時も、あの人は私でない人のそばに寄添い、触れていたことを知った。あの時になにがあったかは知ってたけれど私のそばにいてくれることが本来で、だからあの日の夜「今日はこっちから帰るわ」とあの人に寄り添って行ったのも「今日」だけのことだと思ってた。実際そうだったし。

でも知ってしまった。あの人があの時「私ではない誰かのために腕を伸ばしていたこと」がとても強い思いと共にあったということに気付いてしまった。

 

 

とはいっても、哀しみが湧き上がったとしてもそんなのもう永久凍土の下の方で、地球が割れても誰も見つけられないくらいの小さいげっぷに過ぎないような事実だったと思えばなんだって言う話で、それでも人生にはそういうことがいつくかあるものじゃないかなって、鼻息ふんふんしちゃう土曜日の夜だった。

 

 

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