映画「22年目の告白-私が殺人犯です」
予告編。
これ観て、どんなクソ外道野郎の話かと一周して楽しみなってたわけです。
皆だいたいそうだと思います。
でもそうじゃないです。予告編なんか何にも衝撃ではないです。
上手いこと作ってあるし、それこそこれぞ予告編ですが。
最初に逸脱しておきますね(それくらい言っておきたい)
いました!私的認定雰囲気俳優。
岩城滉一!!(以下敬称略)。
めっちゃお爺ちゃんなってた。変わらぬな…
浅野忠信(一択じゃなかった)といい岩城滉一といい、こんなイケメソなのに。勿体無い。ああ勿体無い。ただただ勿体無い。イケメソ及び滑舌悪い。2条件クリア。
あああああ勿体無い。
(今後も色々出てくるだろうな、私認定雰囲気俳優…)
予告編なんか何にも衝撃ではないです(2回目)
刺激的なシーンだけでなく物語そのものの衝撃の連続に私は動悸が止まらなくなり苦しくて思わず脈を測ったりしました…ぅぅ(更年期のひと)
余談ですが私はかなりグロいエグい好きです。Youtubeさんが勧めてくる関連動画はくまなく網羅、もう観たのばっかりだよ!程度には積極的に観に行きます。
同僚さんが
「いつかぎこちゃんは実際にヤッてしまう」
という危惧を真剣にしてるくらいに好きです。(しませんて。ほんと。つかヤるって何よ?)そんな私が動悸でぐらつく。そんな作品でした。
グロとかあんまり関係ないです。ただ一応耐性はあるはずなのに、という目安としてお考えください。
まずもって冒頭に時代背景、物語背景として阪神淡路大震災が取り上げられるので心的ダメージいきなりドンッ。
その後も某宗教団体が起こす無差別テロ事件など、あの時の気持ちを蒸し返すので、リアル体験されてる方、その後も各地で起きている大震災に見舞われた方、なんらか関わった方はキツイと思います。
あの時の実際の映像が使用されています。書いていても胸が苦しくなってきます。
この消化しきれない胸苦しさ
ああ、これこそがこの映画の裏側の、いやいや真のテーマなのでは…?
どれほど時が経っても思い出すだけで胸がぎゅっとなる経験。災害やテロや戦争や凶悪な事件、昨今の様々なそういう事象に心が闇に晒される人たちが生きていく重苦しさ、そこかもしれないと、今思いました。
ブログを書くとこういう事に気付けていいです。
鑑賞後はショック状態で言葉も浮かばなかったし、どうやって受け止めていいかまったく分かりませんでした。感動とかじゃなくて、言葉が見つからないっていう状態でした。
ここで〆かなというところなんですけど
ふと「原作あるのかなぁ?」って。私あんまり予習しないタイプなので。韓国映画「殺人の告白」のリメイクなんですって…
へえぇぇって、予告及びネタバレあらすじをざっくり観てきました。
…んんんむこれは。
んぇぇぇぇぇぇ…
観なきゃ良かったああああ調べなきゃ良かったあああああ
予告編貼りませんっ!
物語の大筋はそのまんま。あらすじは飛ばし読みしただけなので想像ですけど、お国柄多分オリジナルはもっと刺激的な映像も…色々ありそう。ほんと想像ですけど。(韓国映画観たことなし)
エンディングは違うそうです。
なんか…えーそうかオリジナルではないのか。日本の小説とかでもないのか、そうか…
あのすみません、これほどの衝撃と、「すごい、こんなの初めて。。。。」的ななんていうの?乙女心(違)を返してほしい。今すぐ。
もうね、とりあえず一旦全部返して下さいよっ!!
…いや。
リメイクなので比較したところで意味もないし以下中止。知らなかったことには出来ないけど、私なりに今作でかなりお腹一杯なったのでそれでよしとしたいです。
違和感なく日本の物語としてスライドされてました
冒頭、日本国内で起こった災害や事件と絡めてくるところで気持ちを鷲掴みにされるんです。もうオリジナルの事を考えることないわけで。
そもそもそこがポイントでした、私には。
そしてもちろんその後のひっくり返りまくる展開にのめり込んでいくわけなので。
まさか最後に突きつけられる「刑法39条」
ようやくたどり着いた「時効の向こう側」に現われました。ここに来て、荒ぶった気持ちをどう冷まそうかというところで、またもや一気に掻き乱されてしまいます。
そこまででもだいぶ落下してるのに、まだまだなのです。きっと絶望には底なんてないんです…。
そしてオリジナルとは別というエンディング。これはちょっと理解が難しいです。これを観客に委ねるの?っていう。
誰にでも有りうるかもしれない
本当に怖くて苦しいのは、残忍な殺人方法とか引っ掻き回すマスコミでもないし、愉快犯みたいな偽物でもない。関わる人々が闇に落ちていくキッカケです。
そこに追い詰められて逃れられない人の心です。トラウマとかPTSDとか、昨今本当に頻繁に耳にする言葉。そんな言葉で解決することなんて人の心にはないと、本当に思いました。
あの、これ。実話ではないんですよね、苦笑
我ながらよくこれだけ感情移入できるわと呆れますけど、私の記憶には強く強く焼き付けられている事実の経験があります。
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布団の中でテレビを付けた途端にハリウッド映画の様なシーン…。でも高速道路が横倒しになってるなんて見たことがない。ヘリの音、神戸の街から立ち昇る煙。母方の親戚はほとんど、父の親戚も関西にいます。当時働いていた会社の全国にある寮はあの街にいくつもあって私は管理の仕事に携わってて…。
あの日あの時間、私の乗っていた都内の地下鉄はアナウンスもなくただ停車し続けていました。ほんの2駅3駅先で起きていた未曾有の事件を知ったのはその日の昼のニュースでした。
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災害も事故も巻き込まれる可能性なんかいくらでもあるし、その確率は計算できやしないです。自身が巻き込まれるのか、身近な人間が巻き込まれるのか、どんな状況になるのか、私たちには覚悟も防御もすることができません。
無防備な心に想像を超える質量の衝撃は、一体どんな作用を起こすでしょうか。
〆からだいたい倍以上の文字数になってきた
オリジナルの伊藤英明の人が泥臭いので却下です。(個人的な好みです)
藤原竜也の人は良いイケメソ。だんぜん清潔感あるイケメソ。なんなら若かりしペさんみたいな。ペ・ヨンジュンさんみたいな凛とした佇まい。あの整った涼しい顔で猟奇殺人犯とか、ギャップ萌え~…みたいな。
あ、橋本杏奈ちゃんがですね、凄いですよ。公式サイトだか記事から、杏奈ちゃん命張ったのかと知りました。あのコント番組「LIFE」で純真無垢な気持ちで、必死に笑いに向き合って頑張ってた、健気なあの子が!!(健気さはそのままです大丈夫(何が))
NHKデスカラ
野村周平、リア充ウェーイみたいな感じで苦手でした(個人的な感想です)けど、すんごく良かったです。何故か「ミュージアム」ではあんまり感じませんでした。
なんだこの記事、やっぱりウェイウェイ系じゃないか。しかもこのトップ画像、杏奈ちゃんが完全に隠れてるんですよ。どうかしてませんか。しかも画像の夏帆推しが著しいんですよ。うわー納得いかない。
この2カットにどんな関連があると思います?
藤原竜也はほんと、全然興味なかったです。んー?声が好きじゃないのかな?その程度でした。でも今季の民放ドラマ「リバース」を飛ばし鑑賞してて、恐ろしい演技力に引き込まれました。あの役『誠実で勤勉、多分ADHDによる状況把握困難、ゆえに周囲と上手く溶け込めない、それを自覚しているかしていないか微妙かつ繊細な人物』を熟せるってかなり驚愕しました。ただただ「上手いなほんとにこの人」と。
てことで、予告編を何度か観るうちに「このクズ野郎を演じる藤原竜也を観たい!」ていう気持ちのままに今作を鑑賞しました。
佳作かどうかは判断出来ないです。あーいい映画だったぁぁぁぁってならなくて。
見応えのある映画だったと思います。それは確かです。こんなに涙もなく、呆然としたのは本当に初めてでした。
行きつけのシアターにて。