左利きであることがアイデンティティとなりうるか?(2)
右脳左脳の働きと利き手の関係があれこれ取り沙汰されていますが、幼い頃は勿論、成長し大人になった今もそんな意識はありませんし、矯正された人が多い年代の人間には隠れ左利きのはたくさんいると思いますので、そんな人と違うかな?という気持ちです。
私は音楽も絵も「下手の横好き」です。
何でも頑張れば人並みまたは人より少しばかり上手くなるというのも、それは左利きである事や芸術の分野に限ったことではないのでは?と感じています。
因みに「左利きの人って器用」とよく言われますが、これもまた疑問です。両手を使うのは、ハサミの例のように「右手の方が使いやすいものだから」とかそういった理由であり、どちらの手も同じように動かせるわけではないですから。
右手に矯正された文字は左手で書くと、だいたい小学生低学年レベルです。多分右利きの人よりもしっかりと書けるのは、左利きのせいではあるでしょうけれど。
右で文字を書きながら左手で消しゴムを使うのも、右手では上手に使えないからです。
右手でお箸を使うこともできません。そういうことです。
道具を左右の手で使い分けることは別に特別ではないし、むしろ私は手先は不器用です。
実はSNSを見ていると、左利きであることを誇らしげな人や嬉しそうな人がいたり、更には親が子に「左利きへ矯正する」というケースもあるのを見かけまして。
うんんん?て首を傾げます。
批判ではなく単に同じ気持ちはないな、というだけですが。
スポーツ選手にも「左利きは優位」という発想があり、これは理解しますが日常では特にそんな風に感じたことがなかったので「へぇ」と思いました。
結構驚きました。否定はしていませんが、不思議な感じなのです。
確かに矯正も親によって様々な仕方がありますので、完全に同じという人にもあまり会ったことがないです。
先ほども言いましたがもはや隠れ左利きも減り、テレビでも左利きの人をよく見かける様になりました。きっと身近にも多くいそうな今の世代、むしろそんな「特別感」はなくなりそうですけど…?
そもそも特別な物が使える訳でもなく、右か左で使うというだけのことですし。
更には、右利きから矯正したからと言ってそれがその子のアイデンティティになるかどうかはわかりません。 むしろ混乱させられてないかしら?と心配が先立ちます。
欲しくもないまま年老いて授かることもなく生きてきてしまったけど、もし自分に子供がいたら、利き手の矯正よりも、様々な経験体験や見聞の機会を広げてあげたいなぁと思います。実際にはいませんので想像ですが。
こうあって欲しいというのは、親の気持ちであり子供には何かしらの期待がプレッシャーになることはあると思います。私自身がそうでしたから。
能動的に動くこと、楽観的に考えること、具体的に解決する力、自分には足りないと思うことが多いです。それは利き手や得意なこととは関係なくて、ただの性格だなと思っています。
私にアイデンティティがあるのかすら怪しいものです。
音楽が好きとか漫画が好きとか、歌うとか、絵を描くとか、それも環境のせいで、多少上手くなったのも習ったり好きで真似をしたり、要は数をこなしたからに過ぎないでしょう。
中途半端な私はそこで終わり、夢を描き一生懸命に頑張った右利きのいとこたちがそのプロになっていったのがその証拠です。
何かしら、本人の「自分だけの能力」と思う人もいるかもしれないので、タイトル「左利きであることがアイデンティティになりうるのか」の答えは
人によって異なるとしか言い様がないですね。
私個人的には「全然なりません」ですが。
本人がそこを拠り所にしつつ、成長したり、自分をしっかりと持てることができれば良いんじゃないでしょうか?
いや、でもですね。
実のところ、左利きの方が様々な分野で活躍している姿を見るのはやっぱり嬉しいものですけどね(笑)
卓球の経験があるので石川佳純ちゃんや、音楽が好きなので坂本龍一氏、ちょこちょこテレビで見かけるジャニーズの方たち、最近では星野源くんがスマホをいじる姿を見て嬉しかったのに「ええええ!?お箸は右なのかぁあああ!あああ」とかガッカリしたり(笑)
私自身はほんとに「左利きなんだ!へ~いいね~!」とか「器用だねぇ」ってなんかワクワク感満載で言われると
「ほんと平凡な人間で申し訳ないです。才能がなくてすみません。」
て気持ちになります。いろいろ苦労してんねんで、しらんやろ?とかぐちぐちしたくなります。(捻くれてるからに違いありませんが←)
もし科学的に「左利きは何かに優れている」みたいな証明がされているなら私は「出来損ない」なんでしょうけども…涙
知人のお子さんは本当に両方の手をいろいろ使っているそうです。
「字は右にしてあげた方が後々ラクだよー!」なんておせっかいを言ってしまったことがあるのですが、「好きなようにやらせてるよー」って軽くいなされました。
なるほど、それが一番なわけですよね。大きなお世話でした。
てへへ
終わりです