ぎこの観たもの聴いたもの

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

映画「聖の青春」

原作を読んで大崎善生氏の紡ぐ言葉がすごく好きになったので、これを「絶対いいから」と貸してくれた大好きだった人に、かなり久しぶりにメール。映画好きの彼もきっと観てるだろう。(いらん話)

両隣のオッサンが、片方はマスクして鼻息スピスピ鳴ってるしもう片方がスナック菓子食ってるしで、序盤はかなり気が削がれた。ほんとこう言う作品を観るのにもなんか食おうという気持ちがよく分からな(いらん話)

客層やはり「将棋界隈のオタク中心」なのかなぁ。笑いどころがベタだし何というか、場の空気を読まずに大声で笑う人もいました。あ、これは特にダメとかではなく、ただ「ああ、オタクが大勢」て思っただけです。(いら…)

 

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原作を読む読まないではかなり感じ方は違うと思うけど、自分は8年前に読了とても印象深い作品として記憶にあるので、読み直しはしませんでした。読まなかったら気付かなかったかもなぁ、この映画にも。

bionic-giko.hatenablog.jp

 

将棋の世界が少し注目されてきて映画化の話もその一環か知らないけど、それでもプロ棋士の話って結構間口が狭い。

自分は駒の進め方や詰将棋とかの知識は子供の頃からありますが、それよりも棋士になるための仕組みを知っておくと主人公がどれほどの焦心で勝負に賭けていたか、文字通りなぜここまで命がけなのか、多少は理解しやすいです。

映画では多少楽観的に語られる人間がいるけど、奨励会に残れなかった棋士志望の青年たちはなかなか残酷なものです。

 


はぁ天丼美味ぇ。

鑑賞後、天丼を食いながらメモを取ってます(い)

 

 

ネフローゼがどう言った病気かと言うのも少しだけ知識があるとよいかな。ハードルを上げるつもりはないけど、どんな症状が主人公を襲っているかが分かると一層作品に入り込めると思います。wikiでも大丈夫です。
(診断した医師に母親を責めるようなセリフがありましたが、あれちょっと気になります。)

 

原作者の大崎氏は大学生時代にアマチュア四段まで昇格、その後日本将棋連盟に就職、将棋関連の雑誌編集長となっています。
てことで彼の「将棋の子」と言う作品を読むと一層奨励会が…

 

観る前に読まなあかんもんが多すぎるっっ!!!

 

とりあえず、作者役の筒井道隆さんがいい男すぎて酷いです← だって原作者の特権じゃないですか?(笑)

森師匠はいい味です。なんでもこなせるリリー・フランキーさんですけど、あまりに脳内で完全一致するのでわろけます。この方の口癖は、今も読んだ知人との会話に欠かせません。

 

日常「あーあ」と思ったら何でも「冴えんなぁ」です。

で、歯のヤニ、ホンモノですか?(笑)

 

安田顕さん、柄本時生さん、ちょい役ですけど印象に残る医師役の鶴見辰吾さん…男優の層の厚さ。

羽生さん役の東出晶大さんはもう告知番組で散々出てますのでみなうっかりすると羽生善治さんが変換されてるかもしれないです。
でも今作品の大きなフィクションは多分、羽生さんの人物像です。多分ですが。

読んでからかなり経ちますので記憶も怪しいとはいえ最近の記事などで見かける羽生さんの印象と原作は割と合致しますが、東出くん演ずる羽生さんはちょっと違います。
もっとも胸にグッとくるシーンも、いや、羽生さんのこれはなくない?とか思いました。

 

松ケンはというと、ちょっと分からないです。

記憶から落ちてるエピソードか、またはこれもフィクションなのかなという場面も多いので。

とりあえず、まずデカイです。体重増やしてるからなんか健康そうに見えないか?と不安がありましたし。病弱な主人公にはちょっと強そう過ぎない?みたいな。

 

(なぜ体重増加をしたのかは病気から分かります。劇中はサラッとした説明なので予習しない方はお気をつけて。)

村山ご本人の写真は公開されているモノは本当に少なく、どれも子供の雰囲気です。対局前の写真、対局中の写真でも。

食べたいもの、飲みたいものを口にし、泥酔すれば暴言口数が少ないのに口が悪い、そこへ来て頑固にやりたい事をやり通す性格が輪を掛けます。

でも憎めない、かわいい、優しい一面も垣間見える。

泥臭いのにチャーミングみたいな。

 

んんっ?松ケン、うまいじゃん!

 

 

棋士って多くを語りません。気持ちはとにかく人生全て将棋に持って行かれてるんです。感情も表情も。(森師匠クラスはちょっと分かんないw)

少なくとも、ひたすら将棋盤の海の中にいる人たち、勝負の世界に浸りきっている人たちは、言葉も全て駒の動きになるのかなと言う…

「還って来れなくなる恐怖」を羽生氏が語るシーンがありますが、また原作文中にあったっけ?みたいな…。観ながらジャック・マイヨールが浮かぶ。あの人、還らぬ人になりました…

 

なんか暗い…

 

でもそういう世界の話です。

未来は、プロ棋士となり名人となる所にしか光はありません。プロ棋士となっても負ければ闇が射し、更に負ければ見えない漆黒の世界に突き落とされていきます。たとえ余命宣告を受けなくても、棋士に付きまとう運命。

 

「水滴を落とし続ける蛇口」や「伸びた爪」カットが多く入ります。爪についてはほんの少し語られます。彼の生きてることの象徴かもしれないと思うとドキンとします。

 

村山氏も羽生氏も実際にはちんまりしてますので、部屋の鴨居をよけてくぐる姿は本来はあり得ないのでちょっとクスッとしました(笑)

 

とにかくね、2人ともデカイ!(笑)

 

映画としてとてもよかったです。
あくまでも原作はドキュメンタリー、映画はフィクションとしているところも。
当たりでした!

 

今回も男優陣が魅せる映画でした。