ぎこ記

映画や音楽多め。あとどーでもいいひとりごち

読了「皆月」著 花村満月

美容院でたっぷり時間があったので、3日かからず読了。

直木賞的な作品が多いらしいが、著者は芥川賞作家である。


本著は、エロスとヤクザが濃厚な、あたしには苦手な雰囲気なのだけど、イヤなのにどんどん読み進んでしまう巧みな文章力だ。



主人公にはまったく魅力がない。むしろ嫌悪感すら抱く。ただその義弟の、言うなればちょっと頭のいいチンピラがすごくいい。悪いし暴力的だし行動の脈絡がつかめない、なのに何とも言えない危うさに惹き付けられる。



解説はべた褒めだったけど、物足りない部分やありがちなクライマックスもあって、あたし的には今ひとつってな感じだった。