主演が真木よう子の映画を観たかったのだが、時期を逃してしまい、知人に本を借りた。
久しぶりの読書はなかなかに新鮮。
薄い文庫本なのだけど、
とにかく描写が細かく、
小さな足下の小石から川や木々、風、空まで、
景色がいちいち映像となって頭の中に浮かぶほど。
こんな風に書いていたら、
話が進むのかい、この薄さで話は完結するんかい、
と不安になるほどだった。
ま、余計なお世話なんだけど。(笑)
幼児殺人事件から
話はいつのまにか過去の集団レイプ事件に変わっている。
戸惑いながら読み続けても、
不愉快な言葉が連なり、そしてその細かな描写で、否が応でも景色が思い浮かんでしまう。
オンナとしては、やはり嫌悪感で重い気持ちになる。
暗い。
暗すぎる…。
短い通勤時間では、薄い文庫本もささっとは進まない。
それでも何しろ薄いので、気付くと半ば程まで読んでいる。
なのに、重苦しい言葉と景色から抜け出せない。
もどかしさの中で、
あれ?
2日目の今日、読了。
長い長い年月の、重く苦しい日々が、
渓谷に辿り着く。
そして、
そこはただ苦しく悲しいだけじゃない景色となり、
涙が溢れそうになる言葉の中で、
違う風の行方に
微かな、ほんの微かな光が見える気がする。
まだ、確かにはわからない、
微かな光が。
あとがきは、映画を期待させる内容だったけど、
あたしはこの言葉の洪水で溺れて終わらせようかな。
まあ何年かして、
気が向いたら借りて観るかなぁっと。
*追記20170522
今、映画のテーマソングを作詞作曲してるのが椎名林檎であることにかなり驚いているんだけど、全然イメージじゃないのが真木よう子が歌ってるってこと…
全然、全然分からん…汗