土屋賢二という哲学
この人のエッセイ集を知人から何冊か借りている。
読んでいると
「哲学とは言い訳なのか…」
としか思えなくなる。
お茶の水女子大の教授という肩書きから言って、インチキな人物とは思えないのだが、
本を読み進むにつけ、
「こんなインチキな教授がいるのか…」
としか思えなくなってくる。
著者の人生の最大の課題は
「棚を直すこと」
と断定せざるを得ない気がする。
しかし著者のいくつかの苦悩の内のひとつは「著書の在庫の多さ」らしく、
古本屋で知人が購入した何冊もの著書を拝借して読んでいる自分が、
相当な悪人である気もしてくる。
あ、あと、
物事は裏表があり、どちらから観るかによって、まったく正反対の姿になる、
というなんとなく哲学的な感じも伝わってはくる。
…蛇足みたいに書いてしまったが、
哲学者の書いている本なんだから、それくらい感じても当然だとも思う